改葬の手続きと必要書類を5ステップで徹底解説|費用と書き方も

- 改葬には現在の墓地がある市町村長の許可が必要で、根拠は墓地埋葬法第5条・第8条。
- 必要書類は基本3つ:改葬許可申請書・受入証明書・埋葬証明書(名称は自治体差あり)。
- 改葬許可証は遺骨1体につき1枚必要で、複数の遺骨ならその数だけ申請する。
- 申請先は新しい納骨先ではなく、いま遺骨がある市区町村の役所。
- 手数料は自治体差があり、無料の自治体もある。
改葬の手続きと必要書類の全体像【所要時間・難易度の目安】

改葬の手続きは「3つの書類を集めて役所で改葬許可証に変える」だけで、難易度はそれほど高くありません。
役所の窓口に行く回数は実質1〜2回。難しいのは書類より、寺院や親族への相談など人とのやり取りの方だと、私は実際にやって感じました。
道具として用意したいのは、現在の墓地の名義人情報・遺骨の人数と続柄のメモ・本人確認書類・印鑑です。これだけ手元にあると窓口でつまずきません。
改葬とは何か・墓じまいとの違い
改葬とは、遺骨を今ある墓地・納骨堂から別の墓地・納骨堂へ移すことです。
墓じまいは、お墓を撤去して更地にし、使用権を返すこと。改葬は「遺骨の引っ越し」、墓じまいは「お墓の片付け」と分けると分かりやすいです。
実務では、墓じまいをして遺骨を別の場所へ移すなら、その移動部分が改葬にあたります。両者はセットで動くことが多いです。
改葬に必要な3つの書類(改葬許可申請書・受入証明書・埋葬証明書)
改葬許可申請で一般に求められるのは、改葬許可申請書・受入証明書・埋葬(納骨)証明書の3点です。
| 書類名 | 入手先 | 役割 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 現在の墓地がある市区町村の役所 | 改葬の許可を求める申請の本体 |
| 受入証明書 | 新しい納骨先の墓地管理者 | 移転先が受け入れることの証明 |
| 埋葬(納骨)証明書 | 現在の墓地管理者 | 今そこに遺骨があることの証明 |
福岡市・新見市・筑紫野市の案内でも、この3点が改葬許可申請の基本として示されています。名称は「埋葬証明書」「納骨証明書」など自治体で揺れます。
自治体によっては本人確認書類・委任状・承諾書・戸籍などの追加書類を求めることもあります。事前に自分の市区町村の案内を確認しておくと安心です。
改葬許可証は遺骨1つにつき1枚必要
改葬許可証は、遺骨1体につき1枚が原則です。
先祖代々のお墓に複数の遺骨が眠っているケースは珍しくありません。私の父の墓も、祖父母を含め複数体が入っていました。この場合は人数分の申請が必要になります。
古いお墓だと「誰が何体入っているか分からない」こともあります。これは後述の無縁仏の項で対処法を書きます。
手続き全体にかかる期間とスケジュール感
申請から改葬許可証の交付までは、民間解説では数日〜1週間程度が目安です。ただし自治体ごとの運用差があります。
私の体感では、書類集めの方が時間を食いました。寺院に証明書を頼み、新しい納骨先と契約し…と、人を介する工程が多いからです。全体では1〜2か月を見ておくと現実的でした。
【5ステップ】改葬許可証を入手・提出するまでの手順
改葬許可証は「受入証明書→改葬許可申請書→埋葬証明書→(必要なら承諾書)→役所へ提出」の順で入手します。

番号どおりに動けば、書類の前後関係で詰むことはありません。1ステップ=1動作で進めます。
ステップ1:新しい納骨先で受入証明書をもらう
まず、移転先の墓地・納骨堂を決め、その管理者から受入証明書をもらいます。
受入証明書は「この遺骨をうちで受け入れます」という証明です。永代供養墓や納骨堂と契約すると発行してもらえます。
ここまでできていれば正しい:手元に新しい納骨先の受入証明書(または契約書類)がある状態です。発行に数千円かかる場合があります。
ステップ2:現在の市区町村役所で改葬許可申請書を入手する
次に、現在お墓がある市区町村の役所で改葬許可申請書を入手します。申請先は新しい納骨先の自治体ではありません。
窓口でもらえるほか、多くの自治体はホームページから様式をダウンロードできます。福岡市は2部印刷を案内、新見市は通常の申請書提出を案内しており、ここは自治体ごとに違います。
ここまでできていれば正しい:申請書の用紙が手元にあり、遺骨ごとの氏名・続柄・埋葬日などの記入欄が確認できている状態です。
ステップ3:現在の墓地管理者から埋葬証明書をもらう
現在のお墓の管理者(寺院や霊園、自治体管理墓地なら役所)に、埋葬証明書を発行してもらいます。
申請書の中に管理者が署名・押印する「埋葬証明欄」が組み込まれている自治体もあります。その場合は別書類ではなく、申請書を持参して記入してもらう形です。
うまくいかないときは:寺院が檀家の改葬に難色を示すことがあります。証明書の発行は手続き上の話なので、まずは丁寧に事情を伝え、離檀の相談と分けて進めるのがコツです。
ステップ4:必要な場合は改葬承諾書を入手する
墓地の使用者と申請者が違う場合などは、使用者の改葬承諾書を求められることがあります。
たとえば名義が亡くなった親のままで、子であるあなたが申請する場合です。自治体によって扱いが違うので、申請書をもらうときに「自分のケースで承諾書が要るか」を窓口で確認すると確実です。
ここまでできていれば正しい:3つ(または4つ)の書類が揃い、あとは役所に出すだけの状態です。
改葬許可証を入手した後の提示と納骨までの流れ
改葬許可証は、現在の墓地管理者と新しい納骨先の双方に提示することで、遺骨の取り出しと納骨ができます。

許可証は「遺骨を移してよい」という通行手形のようなもの。これを見せて初めて遺骨が動かせます。
現在の墓地管理者へ改葬許可証を提示する
まず、今のお墓の管理者へ改葬許可証を提示し、遺骨を取り出します。
閉眼供養(魂抜き)を行うお寺も多く、私のときも僧侶に読経をお願いしました。石材店の撤去工事はこのあとに入ります。
新しい納骨先へ改葬許可証を提示する
次に、移転先の墓地・納骨堂の管理者へ改葬許可証を提示して納骨します。
許可証は納骨先で回収・保管されることが多いです。提出前にスマホで撮影しておくと、後で記録を確認したいときに便利でした。
ここまでできていれば手続きは完了
双方への提示と納骨が済めば、改葬の手続きは完了です。
あとは旧墓地の更地返還が残ります。「許可証を出して納骨できた」状態になれば、法律上の引っ越しは終わりです。
必要書類の書き方と入手方法のつまずきポイント

改葬許可申請書でつまずきやすいのは、遺骨ごとの氏名・続柄・埋葬日を書く欄と、自治体ごとに違う様式の数です。
私が実際に書いて困ったのは「埋葬年月日が分からない」ところでした。古い遺骨は日付不明のことがあり、その場合は分かる範囲で記入し、不明欄は管理者に確認しました。
改葬許可申請書の記入例と自治体ごとの書式の違い
申請書の様式は、1部提出・2部提出・許可証と一体になった形式など、自治体で違います。
福岡市は2部印刷を案内し、新見市は通常の申請書提出を案内しています。記入項目は、死亡者の氏名・本籍・死亡年月日・埋葬の場所・改葬先などが中心です。
書き方の解説や様式整理は、行政書士などの専門サイトも参考になります。最終的には自分の自治体の様式に従ってください。
郵送・オンライン申請はできるのか
郵送やオンライン申請の可否は自治体によって異なります。
遠方の実家のお墓を整理する人にとって、ここは死活問題です。窓口へ行けないなら、最初の電話で「郵送申請に対応しているか」「必要な同封物は何か」を必ず聞いてください。私も遠方だったので、まずこれを確認しました。
代理人申請・複数遺骨をまとめて申請する場合
代理人が申請する場合は委任状が、複数の遺骨を移す場合は遺骨の数だけ申請が必要になることがあります。
自治体によっては、複数遺骨を1枚の申請書にまとめて書ける様式もあります。何体分をどう書くかは様式次第なので、用紙をもらう段階で確認すると二度手間になりません。
遺骨が古く誰のものか不明・無縁仏の場合の対処
誰の遺骨か特定できない場合でも、管理者の証明をもとに改葬を進められることがあります。
古い先祖代々墓では、氏名・続柄が不明な遺骨が出ることがあります。この場合は役所に事情を相談し、どう記載すればよいか個別に確認するのが確実です。自己判断で空欄のまま出すと差し戻されやすいので注意してください。
改葬にかかる費用の総額と内訳【独自試算】
改葬の費用は「行政手続き分」より「離檀料・撤去工事・新しい納骨先」の方が圧倒的に大きいです。

手続き書類そのものは数百円〜数千円。総額を押し上げるのはお墓の撤去と新しい供養先の費用だと、自分で払って痛感しました。
発行手数料は無料〜300円・自治体で異なる
改葬許可証の発行手数料は自治体差があり、新見市は許可申請の手数料を無料と案内しています。
民間解説では、行政手続き関連の費用は数百円〜3,000円程度が目安とされ、内訳として受入証明書や埋葬証明書の発行に数千円かかる場合があります。
| 項目 | 目安 | 支払先 |
|---|---|---|
| 改葬許可証の発行手数料 | 無料〜300円 | 現在の市区町村役所 |
| 受入証明書の発行 | 数千円かかる場合あり | 新しい納骨先の管理者 |
| 埋葬(納骨)証明書の発行 | 数千円かかる場合あり | 現在の墓地管理者 |
離檀料・撤去工事費・新墓地費用の相場感
正直に言うと、ここは出典で確かな全国相場を出せる材料がありません。
離檀料・お墓の撤去工事費・新しい納骨先の費用は、寺院・地域・墓石の大きさで大きく変わります。確かな数字がないものを相場と断言するより、見積もりを取って自分のケースで把握する方が安全です。
私の経験では、撤去工事は石材店ごとに見積もりが割れました。複数社から取ると判断材料になります。
費用を抑えるコツと補助の確認
費用を抑える一番の近道は、書類発行費を二度払いしないことと、撤去工事の相見積もりです。
