ホーム › 手続き・流れ・必要書類 › 墓じまいの流れを当日の手順6ステップで完全解説
手続き・流れ・必要書類

墓じまいの流れを当日の手順6ステップで完全解説

梶原 由紀子 / 更新:2026-06-24
墓じまいの流れを当日の手順6ステップで完全解説
親の墓をどうたたむか――私自身、父が亡くなったあとに地方の墓じまいを一人で進めて、何から手をつければいいか分からず途方に暮れました。結論から言うと、墓じまいは「事前準備」と「当日の流れ」に分けて考えると一気に楽になります。当日は掃除→お布施→お供え→閉眼供養→会食→遺骨の取り出し→解体撤去、という順で進みます。
  • 墓じまいは法令上「改葬」にあたり、市町村長の許可が必要です。
  • 当日の流れは「掃除→閉眼供養→遺骨の取り出し→解体撤去」が基本です。
  • 費用の総額はおおむね30万〜300万円が目安で、新しい納骨先で大きく変わります。
  • 閉眼供養(魂抜き)のお布施は2万〜10万円が目安です。
  • 全国一律の補助金はなく、自治体ごとに有無と金額が異なります。

墓じまい流れの結論

「墓じまい」どうする?費用や流れを5分で解説!改葬トラブルを避けるには?
「墓じまい」どうする?費用や流れを5分で解説!改葬トラブルを避けるには?

墓じまいの流れは「親族合意→墓地管理者への相談→必要書類取得→改葬許可申請→墓石撤去→新しい納骨先へ納骨」の順で進むのが実務上の基本です。

ただし、この順番が法律で固定されているわけではありません。墓地埋葬法が定めているのは「改葬には市町村長の許可が要る」という一点です。

私が父の墓じまいで一番つまずいたのは、書類の取得順でした。受入証明書がないと改葬許可申請が通らない自治体が多く、先に新しい納骨先を決めておかないと前に進めません。

墓じまいで動き出す前に、まず「新しい納骨先」を決めてください。これがないと改葬許可申請の書類が揃わず、すべてが止まります。
墓じまいの費用の目安
公的な全国統計はなく、業界・寺院・石材店の案内に基づく目安です。
項目費用の目安
総額30万〜300万円
墓石の撤去工事20万〜70万円前後(1㎡あたり10万〜20万円)
改葬許可証関連の発行手数料数百円〜1,500円程度
閉眼供養のお布施2万〜10万円
離檀料(慣行ベース)3万〜20万円程度

墓じまいの当日の流れ

墓じまい当日は、お墓の掃除から始まり、閉眼供養を経て遺骨を取り出し、最後に墓石を解体撤去する、という7つの段取りで進みます。

墓じまいの当日の流れ

順番に並べると次のようになります。これは僧侶・石材店の動きに合わせた現実的な流れです。

  1. お墓の掃除をする
  2. 僧侶へ挨拶し、お布施を渡す
  3. 供物や仏花をお供えする
  4. 読経による閉眼供養を行う
  5. 参列者で会食をする
  6. 遺骨を取り出し、新しい供養先へ引き渡す
  7. 石材店が墓石を解体撤去する

正直に言うと、この全部を一日でこなすと結構な慌ただしさです。私のときは午前に供養、午後に撤去で、会食は近場の店を予約しておいて正解でした。

①お墓の掃除

当日の最初は、参列者が集まる前にお墓を掃除して整えることから始まります。

閉眼供養は「これまでありがとう」と区切りをつける儀式です。荒れたままだと気持ちも整いません。墓石の汚れを落とし、雑草を抜き、周りを掃いておきます。

私は前日に一度行って草むしりを済ませました。当日は時間が押すので、できる準備は前倒しにしておくと当日の心の余裕が違います。

②僧侶への挨拶とお布施の支払い

【2025年最新版】墓じまい完全ガイド 〜手順から補助金制度まで徹底解説〜
【2025年最新版】墓じまい完全ガイド 〜手順から補助金制度まで徹底解説〜

僧侶が到着したら挨拶をし、閉眼供養のお布施を渡します。お布施の目安は2万〜10万円です。

金額は宗派・地域・寺院との関係で幅が大きく、案内によっては0〜30万円という開きもあります。決まった定価がないので、迷うところです。

渡すタイミングは、読経の前の挨拶時か、終わった後のどちらかが一般的です。私は事前に菩提寺へ電話で確認し、当日の混乱を避けました。直接聞くのが一番確実です。

③供物や仏花のお供え

閉眼供養の前に、仏花や供物、線香などをお供えして場を整えます。

③供物や仏花のお供え

故人が好きだった食べ物やお酒を供える家もあります。ここは形式よりも気持ちの部分です。

注意したいのは、撤去工事のあとに供物を残せないこと。お供えした飲食物は持ち帰るか、その場でお下がりとしていただきます。生花も処分の段取りを石材店に確認しておくと安心です。

④読経による閉眼供養

閉眼供養は、墓石に宿った故人の魂を抜き、ただの石に戻すための読経の儀式です。「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれます。

これをしないと、石材店が撤去を引き受けてくれない場合があります。供養済みかどうかを工事の前提にしている業者が多いからです。

読経は十数分から30分ほど。私のときは参列者一同で焼香をして、静かに手を合わせました。墓を壊す日なのに、不思議と前を向けた時間でした。

⑤会食

【完全版】墓じまいの流れと費用について-完全解説-
【完全版】墓じまいの流れと費用について-完全解説-

閉眼供養のあと、参列した親族で会食をする家庭もあります。これは必須ではありません。

遠方から集まった親族をねぎらう場として設けるケースが多いです。撤去工事の立ち会いまで時間が空くなら、その間に済ませると段取りがよくなります。

私は省きました。親族が少なく、午後の撤去にそのまま立ち会う必要があったからです。やる・やらないは家の事情で決めて構いません。

⑥遺骨の取り出しと新たな供養先への引き渡し

閉眼供養を終えたら、カロート(納骨室)から遺骨を取り出し、新しい供養先へ移します。

⑥遺骨の取り出しと新たな供養先への引き渡し

新しい納骨先の費用は総額を大きく左右する部分です。永代供養墓は5万〜150万円、納骨堂は10万〜150万円、樹木葬は20万〜80万円が目安となります。

新しい納骨先の費用の目安
案内に基づく目安。立地・規模で変動します。
納骨先費用の目安
永代供養墓5万〜150万円
納骨堂10万〜150万円
樹木葬20万〜80万円
一般墓80万〜250万円
散骨5万〜70万円

古い墓の遺骨は、土が混じっていたり骨壷が劣化していたりします。私の父の隣に眠る祖父母の骨壷は、水が溜まっていました。受け入れ先によっては乾燥や洗浄が必要になるので、事前に相談しておくと安心です。

⑦墓じまいによる墓石の解体撤去工事

遺骨を取り出したら、石材店が墓石を解体撤去し、区画を更地に戻して管理者へ返します。

撤去工事の費用は墓地の面積や立地で変わります。目安は1㎡あたり10万〜20万円前後。撤去だけなら20万〜70万円程度に収まることが多いです。

見落としがちなのが「立地」です。重機が入れない山中や、急な石段の上にある墓は、人力作業になり費用がはね上がります。私の父の墓も軽トラが入れず、見積もりが想定より上振れしました。複数社で相見積もりを取ることを強く勧めます。

墓じまいには閉眼供養が必要

【墓じまい特集】➍役所手続きの手順|失敗事例やつまずきポイントを行政書士が詳細解説!
【墓じまい特集】➍役所手続きの手順|失敗事例やつまずきポイントを行政書士が詳細解説!

墓じまいでは、墓石を撤去する前に閉眼供養を行うのが基本です。

宗教的な意味だけではありません。前述のとおり、石材店が「供養済みであること」を撤去工事の条件にしている場合が多く、実務上も飛ばせない段取りです。

閉眼供養を行うメリットは大きく分けて4つあります。気持ちの区切りがつく、親族の理解を得やすい、石材店の工事がスムーズに進む、菩提寺との関係を円満に終えられる、という点です。

無宗教やトラブルで僧侶を呼べない場合もありますが、菩提寺がある墓は、まず寺へ相談を。連絡なしで撤去を進めると、離檀料を巡るもめごとに発展しやすいです。

墓じまいの閉眼供養とは?

閉眼供養とは、僧侶が読経して墓石から故人の魂を抜き、礼拝の対象ではなくす儀式のことです。

墓じまいの閉眼供養とは?

開眼供養(魂入れ)と対になる言葉です。お墓を建てたときに魂を入れ、たたむときに魂を抜く、という考え方になります。

このお布施は2万〜10万円が目安ですが、菩提寺を離れる「離檀」を伴う場合、離檀料として別途3万〜20万円程度を包む慣行もあります。ただし離檀料は法定額ではありません。寺が一方的に高額を請求できる根拠はない、と覚えておいてください。

よくある質問

墓じまいでよく一緒に調べられる疑問を、実際に手続きをした経験からまとめます。

よくある質問

墓じまい流れとは?
親族合意→墓地管理者への相談→必要書類取得→改葬許可申請→墓石撤去→新しい納骨先へ納骨、という順が実務上の基本です。法令上は「改葬」にあたり、墓地埋葬法第5条で市町村長の許可が必要と定められています。
墓じまい流れの費用は?
総額はおおむね30万〜300万円が目安です。墓石の撤去だけなら20万〜70万円前後、改葬許可証の発行手数料は数百円〜1,500円程度、閉眼供養のお布施は2万〜10万円が目安となります。新しい納骨先の費用で総額が大きく変わります。
墓じまい流れの始め方は?
最初にやるべきは家族・親族との話し合いです。合意が取れたら、墓地の管理者へ相談し、並行して新しい納骨先を決めます。納骨先からの受入証明書がないと改葬許可申請が通らない自治体が多いためです。
墓じまいを避ける日程は?
法律上、避けるべき日は定められていません。仏滅や友引を気にする家庭もありますが、僧侶や石材店の都合で動くのが現実的です。気になる場合は親族の意向を確認してください。
墓じまいはお香典や引き物の準備が必要?
閉眼供養は身内中心で行うことが多く、香典や引き物は必須ではありません。遠方から親族を招く場合は、会食やお礼の品を用意する家庭もあります。家の慣習に合わせて判断して問題ありません。

最後に一つだけ。墓じまいは「お金」より「親族の気持ち」でこじれます。私も叔父への連絡を後回しにして、あとで気まずい思いをしました。費用の前に、まず関係する人へ一声かけることから始めてください。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

梶原 由紀子

終活ガイド上級資格保有 ・ 相続・不動産手続き専門メディアでの執筆実績7年

司法書士事務所でのアシスタント経験を経て、相続・終活まわりの手続き取材を専門とするフリーライター。自身も父の死後に地方の墓じまいを主体となって進めた経験を持ち、実際に役所・寺院・石材店に足を運んで得た一次情報をもとに書く。

メルマガ登録

梶原 由紀子
梶原 由紀子
司法書士事務所でのアシスタント経験を経て、相続・終活まわりの手続き取材を専門とするフリーライター。自身も父の死後に地方の墓じまいを主体となって進めた経験を持ち、実際に役所・寺院・石

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。