墓じまいの流れを当日の手順6ステップで完全解説

- 墓じまいは法令上「改葬」にあたり、市町村長の許可が必要です。
- 当日の流れは「掃除→閉眼供養→遺骨の取り出し→解体撤去」が基本です。
- 費用の総額はおおむね30万〜300万円が目安で、新しい納骨先で大きく変わります。
- 閉眼供養(魂抜き)のお布施は2万〜10万円が目安です。
- 全国一律の補助金はなく、自治体ごとに有無と金額が異なります。
墓じまい流れの結論

墓じまいの流れは「親族合意→墓地管理者への相談→必要書類取得→改葬許可申請→墓石撤去→新しい納骨先へ納骨」の順で進むのが実務上の基本です。
ただし、この順番が法律で固定されているわけではありません。墓地埋葬法が定めているのは「改葬には市町村長の許可が要る」という一点です。
私が父の墓じまいで一番つまずいたのは、書類の取得順でした。受入証明書がないと改葬許可申請が通らない自治体が多く、先に新しい納骨先を決めておかないと前に進めません。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 総額 | 30万〜300万円 |
| 墓石の撤去工事 | 20万〜70万円前後(1㎡あたり10万〜20万円) |
| 改葬許可証関連の発行手数料 | 数百円〜1,500円程度 |
| 閉眼供養のお布施 | 2万〜10万円 |
| 離檀料(慣行ベース) | 3万〜20万円程度 |
墓じまいの当日の流れ
墓じまい当日は、お墓の掃除から始まり、閉眼供養を経て遺骨を取り出し、最後に墓石を解体撤去する、という7つの段取りで進みます。

順番に並べると次のようになります。これは僧侶・石材店の動きに合わせた現実的な流れです。
- お墓の掃除をする
- 僧侶へ挨拶し、お布施を渡す
- 供物や仏花をお供えする
- 読経による閉眼供養を行う
- 参列者で会食をする
- 遺骨を取り出し、新しい供養先へ引き渡す
- 石材店が墓石を解体撤去する
正直に言うと、この全部を一日でこなすと結構な慌ただしさです。私のときは午前に供養、午後に撤去で、会食は近場の店を予約しておいて正解でした。
①お墓の掃除
当日の最初は、参列者が集まる前にお墓を掃除して整えることから始まります。
閉眼供養は「これまでありがとう」と区切りをつける儀式です。荒れたままだと気持ちも整いません。墓石の汚れを落とし、雑草を抜き、周りを掃いておきます。
私は前日に一度行って草むしりを済ませました。当日は時間が押すので、できる準備は前倒しにしておくと当日の心の余裕が違います。
②僧侶への挨拶とお布施の支払い

僧侶が到着したら挨拶をし、閉眼供養のお布施を渡します。お布施の目安は2万〜10万円です。
金額は宗派・地域・寺院との関係で幅が大きく、案内によっては0〜30万円という開きもあります。決まった定価がないので、迷うところです。
渡すタイミングは、読経の前の挨拶時か、終わった後のどちらかが一般的です。私は事前に菩提寺へ電話で確認し、当日の混乱を避けました。直接聞くのが一番確実です。
③供物や仏花のお供え
閉眼供養の前に、仏花や供物、線香などをお供えして場を整えます。

故人が好きだった食べ物やお酒を供える家もあります。ここは形式よりも気持ちの部分です。
注意したいのは、撤去工事のあとに供物を残せないこと。お供えした飲食物は持ち帰るか、その場でお下がりとしていただきます。生花も処分の段取りを石材店に確認しておくと安心です。
④読経による閉眼供養
閉眼供養は、墓石に宿った故人の魂を抜き、ただの石に戻すための読経の儀式です。「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれます。
これをしないと、石材店が撤去を引き受けてくれない場合があります。供養済みかどうかを工事の前提にしている業者が多いからです。
読経は十数分から30分ほど。私のときは参列者一同で焼香をして、静かに手を合わせました。墓を壊す日なのに、不思議と前を向けた時間でした。
⑤会食

閉眼供養のあと、参列した親族で会食をする家庭もあります。これは必須ではありません。
遠方から集まった親族をねぎらう場として設けるケースが多いです。撤去工事の立ち会いまで時間が空くなら、その間に済ませると段取りがよくなります。
私は省きました。親族が少なく、午後の撤去にそのまま立ち会う必要があったからです。やる・やらないは家の事情で決めて構いません。
⑥遺骨の取り出しと新たな供養先への引き渡し
閉眼供養を終えたら、カロート(納骨室)から遺骨を取り出し、新しい供養先へ移します。

新しい納骨先の費用は総額を大きく左右する部分です。永代供養墓は5万〜150万円、納骨堂は10万〜150万円、樹木葬は20万〜80万円が目安となります。
| 納骨先 | 費用の目安 |
|---|---|
| 永代供養墓 | 5万〜150万円 |
| 納骨堂 | 10万〜150万円 |
| 樹木葬 | 20万〜80万円 |
| 一般墓 | 80万〜250万円 |
| 散骨 | 5万〜70万円 |
古い墓の遺骨は、土が混じっていたり骨壷が劣化していたりします。私の父の隣に眠る祖父母の骨壷は、水が溜まっていました。受け入れ先によっては乾燥や洗浄が必要になるので、事前に相談しておくと安心です。
⑦墓じまいによる墓石の解体撤去工事
遺骨を取り出したら、石材店が墓石を解体撤去し、区画を更地に戻して管理者へ返します。
撤去工事の費用は墓地の面積や立地で変わります。目安は1㎡あたり10万〜20万円前後。撤去だけなら20万〜70万円程度に収まることが多いです。
見落としがちなのが「立地」です。重機が入れない山中や、急な石段の上にある墓は、人力作業になり費用がはね上がります。私の父の墓も軽トラが入れず、見積もりが想定より上振れしました。複数社で相見積もりを取ることを強く勧めます。
墓じまいには閉眼供養が必要

墓じまいでは、墓石を撤去する前に閉眼供養を行うのが基本です。
宗教的な意味だけではありません。前述のとおり、石材店が「供養済みであること」を撤去工事の条件にしている場合が多く、実務上も飛ばせない段取りです。
閉眼供養を行うメリットは大きく分けて4つあります。気持ちの区切りがつく、親族の理解を得やすい、石材店の工事がスムーズに進む、菩提寺との関係を円満に終えられる、という点です。
墓じまいの閉眼供養とは?
閉眼供養とは、僧侶が読経して墓石から故人の魂を抜き、礼拝の対象ではなくす儀式のことです。

開眼供養(魂入れ)と対になる言葉です。お墓を建てたときに魂を入れ、たたむときに魂を抜く、という考え方になります。
このお布施は2万〜10万円が目安ですが、菩提寺を離れる「離檀」を伴う場合、離檀料として別途3万〜20万円程度を包む慣行もあります。ただし離檀料は法定額ではありません。寺が一方的に高額を請求できる根拠はない、と覚えておいてください。
よくある質問
墓じまいでよく一緒に調べられる疑問を、実際に手続きをした経験からまとめます。
よくある質問
最後に一つだけ。墓じまいは「お金」より「親族の気持ち」でこじれます。私も叔父への連絡を後回しにして、あとで気まずい思いをしました。費用の前に、まず関係する人へ一声かけることから始めてください。
