永代供養墓じまいとは?メリット・費用・手順をわかりやすく解説

- 墓じまいはお墓を撤去して更地に戻し、墓地管理者に返すこと。
- 永代供養は寺院や霊園が遺族に代わって遺骨を管理・供養する仕組み。
- 墓じまい後は必ず遺骨の移転先(改葬先)を決める必要がある。
- 永代供養墓の費用は合祀墓で5万〜30万円程度、集合墓で20万〜60万円程度。
- 永代供養墓の多くは33年や50年などの期間後に合祀へ移る運用になっている。
永代供養墓じまいの結論

墓じまいして永代供養にすれば、お墓の管理と継承の負担から解放されます。これがこの記事の結論です。
「永代供養」という言葉から、ずっと手厚く供養してもらえると思い込む人が多いのですが、ここは要注意です。実際は33年や50年などの一定期間を過ぎると、他の方の遺骨と一緒の合祀墓に移される運用が一般的です。
私が父のお墓を移したときも、契約書にこの「合祀へ移る時期」が小さく書かれていました。後から知って驚かないよう、ここだけは先に確認してください。
墓じまいと永代供養の違い
墓じまいは「お墓を撤去する作業」、永代供養は「遺骨を預けて供養を任せる仕組み」で、まったく別のものです。

墓じまいは、今あるお墓を解体・撤去して更地に戻し、墓地の管理者へ土地を返すことを指します。永代供養は、寺院や霊園が遺族の代わりに遺骨を管理・供養することです。
つまり墓じまいは出口の作業、永代供養はその先の受け皿。混同されがちですが、片方だけでは話が完結しません。墓じまいで取り出した遺骨を、どこに納めるか――その答えのひとつが永代供養です。
| 項目 | 内容 | 役割 |
|---|---|---|
| 墓じまい | お墓を撤去して更地に戻し管理者へ返還 | お墓の「出口」の作業 |
| 永代供養 | 寺院・霊園が遺族に代わり遺骨を管理・供養 | 遺骨の「受け皿」 |
墓じまいとは
墓じまいとは、既存のお墓を解体・撤去して更地に戻し、墓地管理者に返還することです。
ここで見落とされがちなのが、墓じまいは「墓石を撤去すれば終わり」ではないという点です。取り出した遺骨をどこかに納めなければ、行き場のない遺骨を抱えることになります。
私が役所で改葬の手続きをしたとき、窓口の方に「移転先が決まっていないと書類は出せません」とはっきり言われました。墓じまいと移転先の手配はセットで進めるものだと、その場で実感しました。
永代供養とは

永代供養とは、寺院や霊園などの管理者が、遺族に代わって遺骨を管理・供養する仕組みです。
全国一律の制度や料金、期限があるわけではありません。寺院・霊園ごとの契約条件で内容が変わります。だからこそ「うちのお墓ではどうか」を一件ずつ確認する必要があります。
納骨のかたちには、個人墓・集合墓・合祀墓といった区分があります。個人で区切るほど費用は上がり、最初から合祀すると低く抑えられる、というのが大まかな傾向です。
| 納骨形態 | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 合祀墓 | 他の方の遺骨と一緒に納める | 5万〜30万円程度 |
| 集合墓 | 区画を分けて納める | 20万〜60万円程度 |
| 個人墓 | 個別の区画で供養 | 高額になる傾向 |
墓じまいした後に永代供養にする4つのメリット
墓じまいして永代供養にする最大の利点は、管理・費用・継承・檀家の4つの負担が一気に軽くなることです。

以下で1つずつ見ていきます。ただし正直に言うと、4つすべてが等しく効くわけではありません。私が一番ありがたかったのは「継承者の心配が消えたこと」でした。
- お墓の管理負担が軽減される。
- 通常のお墓より費用負担が軽減される。
- 承継者がいなくても問題がない。
- 檀家を抜けることができる。
1:お墓の管理負担が軽減される
永代供養なら、寺院や霊園が管理・供養を引き受けるため、遺族が現地に通って手入れする必要がなくなります。
草むしり、墓石の掃除、お盆やお彼岸の遠出。地方のお墓を持つ人なら、この負担の重さは身にしみているはずです。私の実家のお墓は車で片道3時間。年に数回の往復が、年々こたえていました。
管理を任せられると決まった日の、肩の荷が下りた感覚は今でも覚えています。
2:通常のお墓より費用負担が軽減される

永代供養墓は、一般的なお墓を新しく建てるより費用を抑えられます。
合祀墓なら5万〜30万円程度から選べます。新しく墓石を建てると数百万円かかることを思えば、その差は大きいです。
ただし注意点もあります。墓じまい自体に墓石撤去や離檀料などの費用がかかるため、「永代供養が安い」=「総額が安い」ではありません。出ていくお金は、墓じまい分と移転先分を合わせて見積もってください。
3:承継者がいなくても問題がない
永代供養は、お墓を継ぐ人がいなくても、寺院・霊園が供養を続けてくれます。

子どもがいない、子どもに負担をかけたくない、遠方に住んでいて継げない――こうした事情を抱える人にとって、これが一番の決め手になると私は思います。
父のお墓を墓じまいしたとき、私自身に子がなく「このお墓を次に誰が見るのか」がずっと頭の片隅にありました。永代供養を選んだことで、その問いに区切りをつけられたのが大きかったです。
4:檀家を抜けることができる
墓じまいの際に離檀すれば、お寺の檀家としての付き合いと費用から離れられます。
檀家でいる間は、護持会費やお布施など継続的な負担が発生します。墓じまいを機にここを整理できるのは、長い目で見たメリットです。
ただし、ここは正直もめやすい部分でもあります。長く世話になったお寺との関係を、お金の話だけで終わらせると角が立ちます。私は最後の閉眼供養を丁寧にお願いし、感謝を伝えてから離れました。
墓じまいをして永代供養にする8つの手順

墓じまいから永代供養までは、相談・移転先決定・手続き・供養・撤去・納骨という流れで進みます。
順番を間違えると手戻りが出ます。特に「移転先を決める前に撤去を進める」のは厳禁。役所の改葬許可が下りなくなります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 親族に墓じまいの相談をする |
| 2 | 寺院に墓じまいの相談をする |
| 3 | 受け入れ先の永代供養墓を決める |
| 4 | お墓を撤去する石材店を決める |
| 5 | 墓じまいに必要な手続き(改葬許可など)をする |
| 6 | 閉眼供養を執り行う |
| 7 | お墓の撤去・遺骨の取り出しを行う |
| 8 | 受け入れ先の永代供養墓に遺骨を埋葬する |
費用の目安も先に押さえておきます。墓じまいの費用は、墓石撤去・閉眼供養のお布施・離檀料・新しい納骨先の費用で構成されます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 墓石撤去工事 | 1平方メートルあたり10万円前後から |
| 閉眼供養のお布施 | 3万〜10万円程度 |
| 離檀料 | お寺により異なる(要確認) |
| 新しい納骨先(永代供養墓) | 合祀墓5万〜30万円程度ほか |
1:親族に墓じまいの相談をする
最初にやるべきは、墓石を動かすことでも見積もりでもなく、親族への相談です。

お墓は名義人だけのものではありません。後から「勝手に決めた」と言われると、関係にひびが入ります。私の場合も、最初に叔父へ電話を入れたことで、その後がずっとスムーズになりました。
特に「合祀されると後から遺骨を取り出せない」点は、親族全員で共有しておいてください。これを伝えずに進めると、後で必ずもめます。
よくある質問
墓じまいと永代供養について、私が取材や自分の手続きでよく聞かれた質問にまとめて答えます。
よくある質問
最後にひとつだけ。墓じまいは手続きより、親族とお寺への「最初のひと言」が一番大変です。そこを丁寧に越えられれば、あとの作業は淡々と進みます。まずは身近な親族に電話を一本かけることから始めてください。
